陰陽道 陰陽會

安倍晴明公の方術が今ここに蘇る!

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Ⅱ.神葬祭本儀  (3)遷霊祭

遷霊祭は故人の御霊を霊璽(れいじ)・御霊代(みたましろ)に遷し留める祭儀で「移霊祭」とも称します。霊璽に遷し留められた故人の御霊は五十日祭もしくは百日祭の頃の合祀祭が執り行われるまでは仮祖霊舎に安置され、合祀祭によって一家の祖霊舎(みたまや)に合祀・安置されることで、祖霊の中に加わり末永く家の守護神として祀られます。

御霊が遷し離された後のご遺体は程なく埋葬または火葬され、火葬された場合はご遺骨として墓所に納骨されます。

遷霊祭は神葬祭の意義を考える際に、その前後で意識が二分されると云う非常に重要な祭儀と言えます。つまり、遷霊祭に至る迄の諸祭儀には、再び御霊が帰り来て故人の生命が蘇ることをひたすら願うと云う意識が強くあることに対して、遷霊祭を行って故人の御霊を霊璽に遷し留めると云う事は、その人の死を確定する事であり、これ以降の諸祭儀はご遺体・ご遺骨を永遠の安住の地である墓所に葬る為の祭儀へと変化するのです。

遷霊祭は本来発柩(はっきゅう)に先立って、深夜に灯火を滅した浄暗裡(じょうあんり)、つまり真っ暗闇の清浄な中に斎行されるものです。

出棺が夜間に行われる場合は問題ありませんが、昨今は出棺の前夜の通夜祭に引き続いて、あるいは通夜祭の中に遷霊祭を取り入れて行われる場合が少なくありません。

神葬祭で用いられる霊璽とは仏式で言うところの位牌にあたりますが、所謂位牌とは全く異なるものであります。

霊璽には諡号(おくりな)、つまり成人男性の場合「大人(うし)」、成人女性の場合は「刀自(とじ)」などが墨書されます。

男性の場合、「大人」以外には「若子(わかひこ)・童子(わらこ)・郎子(いらつこ)・彦・老叟(おおおきな)・翁・大翁・君・命・尊」、女性の場合「刀自」以外には「童女(わらめ)・郎女(いらつめ)・大刀自・媼(おおな)・大媼・姫・媛」など死亡年齢や業績に応じた諡号が贈られることもあります。

また裏には帰幽年月日と享年を墨書します。

仏式に於ける位牌には遷霊祭を行いませんのでただの象徴ですが、霊璽は遷霊祭と云う祭儀によって単なる象徴ではなく、故人の御霊をご遺体から霊璽に遷し留めた依代(よりしろ)となります。

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遷霊祭を執り行う事によって、生前は一体となっていた魂と魄が分けられ、御霊は遷し留められた霊璽によって祖霊舎で祀られ、ご遺体・ご遺骨である魄は墓所で祀られることになります。

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ところで人が帰幽すると陽の気は魂(こん)となり、陰の気は魄(はく)になって、生前一体であった魂魄(こんぱく)が分離します。

「魂」と云う字は「云」と「鬼」から成っています。

「云」は雲で雲気のことを表わしており、人の魂は雲気となって浮遊すると考えられています。

死者にかける衣を魂衣とも言います。

「魄」と云う字は「白」と「鬼」から成っています。

白は髑髏(どくろ)のことで、精気を失ったものを魄と言います。

「魂気は天に帰し、形魄は地に帰す」(礼記)とあるように、人間が死ぬと魂魄は分離しそれぞれは天地に帰ります。

つまり霊璽では魂を祀り、墓所では魄を祀ると言う事になります。

魂魄双方を鄭重にお祀りする事で御霊は益々鎮まり、祟りなす荒ぶる神に転じないようにしなければなりません。

陽の気である魂と陰の気である魄の双方を祀ることで陰と陽のバランスをとることになります。

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